ネフライト

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ネフライト
新潟県糸魚川市で採取された軟玉

ネフライト: nephrite)は、透閃石-緑閃石角閃石の緻密な集合[1]軟玉(なんぎょく)[2]ともいう。

軟玉とは硬玉(ヒスイ輝石、ジェダイト)に対する言葉で、硬度が石英に並ぶ硬玉よりわずかに低い6.5程度であることからこう呼ばれる。中国では軟玉しか採れず、古くは(ぎょく)と呼ばれ、古代より中国で価値ある宝石として多く使われていたが、18世紀に入りミャンマーの現カチン州でジェダイトが発見されたため、ネフライトは軟玉と呼ばれ区別されるようになった。

ネフライトとジェダイトは、日本では翡翠と総称され、古来は似た鉱物と考えられたが、実際は化学的に共通点はない。ネフライトの高級品は中国では、和田玉とされ、その中でも羊脂玉は最高級品である。翡翠は本来はカワセミの意味で、最高級品とされた白と緑の混じった軟玉の色合いがカワセミの羽根に似ていることから名づけられた。

ネフライトは古代ギリシア語腎臓を意味するnephrósと英語で鉱物を意味する-iteからきており、「腎臓の石」を意味する。中南米で腎臓の治療に使われていたことからスペイン人が名づけたのが元と言われる。

性質・特徴

鉱物学的性質については透閃石緑閃石、鉄緑閃石を参照

Ca2Mg5Si8O22(OH)2 とCa2Fe5Si8O22(OH)2 を両端とする固溶体で、組成により以下のように呼び分けられる。

  • 透閃石 - Mg 90~100%、Fe 0~10%
  • 緑閃石 - Mg 50~90%、Fe 10~50%
  • 鉄緑閃石 - Mg 0~50%、Fe 50~100%

脚注

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  1. ^ 松原聰宮脇律郎国立科学博物館叢書5 日本産鉱物型録』 東海大学出版会、2006年、ISBN 978-4-486-03157-4。
  2. ^ 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2。(J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター)

参考文献

  • 木下亀城・小川留太郎 『標準原色図鑑全集6 岩石鉱物』 保育社、1967年、ISBN 4-586-32006-0。
  • 都城秋穂久城育夫 『岩石学I - 偏光顕微鏡と造岩鉱物』 共立出版〈共立全書〉、1972年、ISBN 4-320-00189-3。
  • 堀秀道 『楽しい鉱物学 - 基礎知識から鑑定まで』 草思社、1990年、ISBN 4-7942-0379-9。
  • 松原聰宮脇律郎国立科学博物館叢書5 日本産鉱物型録』 東海大学出版会、2006年、ISBN 978-4-486-03157-4。
  • Leake, B.E.; et al. (1997). “Nomenclature of amphiboles: report of the Subcommittee on Amphiboles of the International Mineralogical Association, Commission on New Minerals and Mineral Names” (PDF). The Canadian Mineralogist 35: 219-246. http://www.mineralogicalassociation.ca/doc/abstracts/ima98/ima98(11).pdf. 

関連項目

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外部リンク

  • Nephrite (mindat.org) (英語)