ピクシーナイト

ピクシーナイト
2021年スプリンターズS
欧字表記 Pixie Knight[1]
香港表記 妙發靈機
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2018年5月14日(6歳)[1]
登録日 2020年4月30日
抹消日 2023年12月27日
モーリス[1]
ピクシーホロウ[1]
母の父 キングヘイロー[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (有)シルクレーシング[1]
調教師 音無秀孝栗東[1]
競走成績
生涯成績 14戦3勝[1]
中央:13戦3勝
海外:1戦0勝
獲得賞金 2億2764万2000円[1]
WBRR S118 / 2021年[2]
勝ち鞍
GI スプリンターズS 2021年
GIII シンザン記念 2021年
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ピクシーナイト(欧字名:Pixie Knight :妙發靈機2018年5月14日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2021年スプリンターズステークスシンザン記念

馬名の由来は「母名の一部+騎士」より[3]

戦績

デビュー前

2018年5月14日、北海道安平町ノーザンファームで誕生。一口馬主法人シルクレーシングから総額3200万円(一口64,000円×500口)で募集された[4]。ノーザンファーム早来で育成の後、栗東音無秀孝厩舎に入厩した。

2歳(2020年)

9月26日、中京競馬場で行われた2歳新馬戦福永祐一鞍上で出走。レースでは外から先頭に立つとそのまま押し切り、人気に応えてデビュー勝ちを収めた[5]

次走の秋明菊賞(1勝クラス)でも1番人気に推されたが、出遅れもあって3着に敗れ[6][7]、当年を終えた。

3歳(2021年)

年明け初戦にはシンザン記念を選択し、4番人気に支持された。レースでは好スタートから先手を奪うと、先頭を譲らず逃げ切って優勝[8]。重賞初制覇を果たした。この勝利でモーリス産駒の重賞初制覇と共に、鞍上の福永祐一はJRA通算2400勝を達成した[8]

続いてNHKマイルカップを目指し、トライアルのアーリントンカップに出走。2番人気に推され、レースでは前走同様先手を取り逃げ切りを図るも4着に敗れた[9]。続くNHKマイルカップでも三度逃げを打つが直線で馬群に飲まれ12着と初の二桁着順となる惨敗に終わった[10]

NHKマイル後は初の古馬との対戦、1200m戦となったCBC賞に2番人気で出走。レースでは中団から競馬を進め、直線で伸びるも日本レコードで逃げ切ったファストフォースを半馬身差交わせず2着に敗れた[11][12]

続いてセントウルステークスに出走、6番手から直線で鋭く脚を伸ばし、レシステンシアにクビ差の2着に入った[13]

10月3日に中山競馬場で行われたスプリンターズステークスでは、スタートで先行すると直線でレシステンシアを破りGI初制覇。父モーリス産駒として初めてのGI勝利となり、1984年のグレード制導入後ではJRA初となる曾祖父グラスワンダーからの父子4代GI制覇を達成した[14]。また、3歳馬によるスプリンターズステークス勝利は2007年アストンマーチャン以来となる14年ぶり、3歳牡馬としては1998年マイネルラヴ以来である[15]ロベルト系がスプリンターズステークスを制したのも初めての事であった。

香港スプリントでの落馬事故

12月12日、香港沙田競馬場で行われた香港スプリント福永祐一を鞍上に迎えて出走。直線に向いたところでアメージングスターが故障・落馬し、ラッキーパッチ、ナブーアタックと共にそれに巻き込まれる形で福永が落馬して競走中止となった[16]。近い位置を走っていたダノンスマッシュも影響を受けたがよろけた程度で転倒は免れ、コースの外側へ避けたことで難を逃れている。事故後一時は無傷であるとの報もあったが、時間経過とともに左前膝と右トモに腫れが生じてきたためレントゲン検査を受けたところ、左前脚の橈側手根骨に剥離骨折が判明したとシルクホースクラブが発表した[17]。香港から帰国後の12月22日、栗東トレーニングセンター診療所にて骨片除去とボルト固定の手術を受けた。手術は無事に成功したものの、全治期間は未定であった[18]

4歳(2022年)

香港スプリントでの骨折の治療のため、4歳時は1年間ノーザンファームで休養した。

7月にトレッドミルによる常歩を開始。その後、速脚を取り入れ、さばきが軽快になってきたことから、9月にキャンターに移行し、10月21日に放牧先のノーザンファームで落馬後に初めて牧場スタッフがまたがって坂路入りを再開したことが発表された。この際、翌年の復帰を目指していることが発表された。[19]

5歳(2023年)

1月27日に福島県ノーザンファーム天栄に移動、1月28日に栗東トレーニングセンターに帰厩して復帰を目指すことが発表された[20]

音無調教師は「状態を確認するために早めに戻します。牧場では順調に進めてこられています。高松宮記念は使いたいと思っています」と語っている[21]

2月26日の阪急杯で復帰予定だったが、回避[22]。1ヶ月後の高松宮記念で復帰する。これまで手綱をとっていた福永祐一が調教師転身で引退したため、戸崎圭太に乗り替わる[23]も13着に終わる[24]

その後は京王杯スプリングカップ、セントウルステークス、スプリンターズステークスといずれも8着に敗れ、12月23日の阪神カップではバウルジャン・ムルザバエフが騎乗して15着となったレースが現役最終戦となり、同月27日、現役引退がシルクホースクラブより発表された。引退後は北海道日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーション種牡馬として供用される[25]

競走成績

以下の内容はnetkeiba.com[26]および香港ジョッキークラブ[27]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)

オッズ

(人気)

着順 タイム

(上がり3F)

着差 騎手 斤量

[kg]

1着馬(2着馬) 馬体重

[kg]

2020.09.26 中京 2歳新馬 芝1400m(良) 11 7 8 001.70(1人) 01着 R1:23.4(34.6) -0.1 0福永祐一 54 (エアシュラブ) 528
0000.11.23 阪神 秋明菊賞 1勝 芝1400m(良) 11 3 3 002.70(1人) 03着 R1:21.7(35.8) -0.4 0福永祐一 55 ブルースピリット 538
2021.01.10 中京 シンザン記念 GIII 芝1600m(良) 15 7 12 013.00(4人) 01着 R1:33.3(35.2) -0.2 0福永祐一 56 ルークズネスト 536
0000.04.17 阪神 アーリントンC GIII 芝1600m(重) 18 4 8 004.30(2人) 04着 R1:34.6(35.4) -0.4 0福永祐一 56 ホウオウアマゾン 530
0000.05.09 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 8 18 015.10(6人) 12着 R1:32.9(36.0) -1.3 0福永祐一 57 シュネルマイスター 532
0000.07.04 小倉 CBC賞 GIII 芝1200m(良) 13 7 11 004.40(2人) 02着 R1:06.1(33.3) -0.1 0福永祐一 53 ファストフォース 528
0000.09.12 中京 セントウルS GII 芝1200m(良) 17 8 15 004.60(2人) 02着 R1:07.2(33.3) -0.0 0福永祐一 54 レシステンシア 536
0000.10.03 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 2 4 005.30(3人) 01着 R1:07.1(33.4) -0.3 0福永祐一 55 (レシステンシア) 538
0000.12.12 沙田 香港スプリント G1 芝1200m(良) 12 8 2 005.40(3人) 競走中止 0福永祐一 57 Sky Field 528
2023.03.26 中京 高松宮記念 GI 芝1200m(不) 18 6 11 017.40(8人) 13着 R1:12.9(36.4) -1.4 0戸崎圭太 58 ファストフォース 530
0000.05.13 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 18 5 9 008.90(5人) 08着 R1:20.7(33.5) -0.4 0戸崎圭太 58 レッドモンレーヴ 524
0000.09.10 阪神 セントウルS GII 芝1200m(良) 15 6 10 006.60(4人) 08着 R1:07.7(32.9) -0.5 0戸崎圭太 58 テイエムスパーダ 534
0000.10.01 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 2 3 016.00(7人) 08着 R1:08.6(34.6) -0.6 0戸崎圭太 58 ママコチャ 530
0000.12.23 阪神 阪神C GII 芝1400m(良) 17 3 6 014.80(6人) 15着 R1:20.2(35.9) -0.9 0B.ムルザバエフ 58 ウインマーベル 532
  • 香港のオッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの。

血統表

ピクシーナイト血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ロベルト系
[§ 2]

モーリス
2011 鹿毛
父の父
スクリーンヒーロー
2004 栗毛
*グラスワンダー Silver Hawk
Ameriflora
ランニングヒロイン *サンデーサイレンス
ダイナアクトレス
父の母
メジロフランシス
2001 鹿毛
カーネギー Sadler's Wells
Detroit
メジロモントレー *モガミ
メジロクインシー

ピクシーホロウ
2010 鹿毛
キングヘイロー
1995 鹿毛
*ダンシングブレーヴ Lyphard
Navajo Princess
*グッバイヘイロー Halo
Pound Foolish
母の母
ラインレジーナ
2002 栗毛
サクラバクシンオー サクラユタカオー
サクラハゴロモ
*シンコウエンジェル *オジジアン
A Kiss for Luck
母系(F-No.) (FN:3-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Halo 5×4、Lyphard 5×4、Northern Dancer 5×5、ノーザンテースト 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [28]
  2. ^ [29]
  3. ^ [28]
  4. ^ [28]

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ピクシーナイト”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年5月13日閲覧。
  2. ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings”. 2022年1月26日閲覧。
  3. ^ “ピクシーナイト|競馬リスト”. KeibaList. 2021年1月10日閲覧。
  4. ^ “ピクシーナイト | シルク・ホースクラブ”. 2021年1月10日閲覧。
  5. ^ “【中京5R新馬戦結果】ピクシーナイトが断然人気に応えてV | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2021年1月10日閲覧。
  6. ^ “【秋明菊賞結果】ブルースピリットが押し切りデビュー2連勝 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2021年1月10日閲覧。
  7. ^ “【秋明菊賞レース後コメント】ブルースピリット藤岡佑介騎手ら | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2021年1月10日閲覧。
  8. ^ a b “【シンザン記念結果】ピクシーナイトが逃げ切り、モーリス産駒重賞初V | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2021年1月10日閲覧。
  9. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【アーリントンC】ピクシーナイト重賞連勝ならず4着 福永「落ち着いていい走りをしてくれました」”. サンスポZBAT!競馬. 2021年10月3日閲覧。
  10. ^ “2021年 NHKマイルカップ JRA”. jra.jp. 2021年10月3日閲覧。
  11. ^ “【CBC賞結果】8番人気ファストフォースが日本レコードで逃げ切りV! | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年10月3日閲覧。
  12. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【CBC賞】ピクシーナイト好立ち回りも2着”. サンスポZBAT!競馬. 2021年10月3日閲覧。
  13. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【産経賞セントウルS】ピクシーナイトが悔しまた2着”. サンスポZBAT!競馬. 2021年10月3日閲覧。
  14. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【スプリンターズS】新電撃王!ピクシーナイト”. サンスポZBAT!競馬. 2021年10月5日閲覧。
  15. ^ “【スプリンターズS結果】3歳馬ピクシーナイトが突き抜けて秋のスプリント王! | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年10月3日閲覧。
  16. ^ “【香港スプリント】ピクシーナイト馬体は異常なし、香港の2頭が予後不良に | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年12月12日閲覧。
  17. ^ “香港スプリントで競走中止のピクシーナイト骨折判明 他馬の転倒事故に巻き込まれる”. スポーツ報知 (2021年12月12日). 2021年12月13日閲覧。
  18. ^ “左前脚骨折のピクシーナイト、手術も全治期間不明…長期離脱か | 競馬ニュース”. スポーツ報知. 2021年12月25日閲覧。
  19. ^ “香港スプリントで骨折のピクシーナイト、坂路入りを再開 来年の復帰を目指して調整中 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年1月27日閲覧。
  20. ^ “ピクシーナイトが待望の復帰に向け28日に栗東トレセンに帰厩へ(東スポ競馬)”. Yahoo!ニュース. 2023年1月27日閲覧。
  21. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2023年1月27日). “ピクシーナイトは高松宮記念が目標 28日に栗東トレセンへ帰厩 音無師「順調にこられています」”. サンスポZBAT!. 2023年1月27日閲覧。
  22. ^ “香港で落馬骨折のピクシーナイトが阪急杯で復帰 戸崎圭との新コンビ/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online. 2023年2月9日閲覧。
  23. ^ “ピクシーナイトが高松宮記念で1年3カ月ぶりに復帰へ 鞍上は戸崎圭に依頼/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online (2023年3月3日). 2023年4月17日閲覧。
  24. ^ “【高松宮記念】長期休養明けピクシーナイトは13着 戸崎圭太騎手「休み明けのぶん、苦しくなった」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com (2023年3月26日). 2023年4月17日閲覧。
  25. ^ ピクシーナイトが引退 ブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入り 2021年のスプリンターズS覇者 - 東スポ競馬 2023年12月27日
  26. ^ “ピクシーナイトの競走成績 | 競走馬データ - netkeiba”. netkeiba.com. 2023年5月13日閲覧。
  27. ^ “The Hong Kong Jockey Club”. The Hong Kong Jockey Club. 2021年12月22日閲覧。
  28. ^ a b c “血統情報:5代血統表|ピクシーナイト|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年1月10日閲覧。
  29. ^ “ピクシーナイトの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年1月10日閲覧。

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ
   

国際競走指定前:
01回(1967年) オンワードヒル
02回(1968年) スズハヤテ
03回(1969年) タケシバオー
04回(1970年) タマミ
05回(1971年) ケンサチオー
06回(1972年) ノボルトウコウ
07回(1973年) キョウエイグリーン
08回(1974年) サクライワイ
09回(1975年) サクライワイ
第10回(1976年) ジャンボキング
第11回(1977年) メイワキミコ
第12回(1978年) メイワキミコ
第13回(1979年) サニーフラワー
第14回(1980年) サクラゴッド
第15回(1981年) サクラシンゲキ
第16回(1982年) ブロケード
第17回(1983年) シンウルフ
第18回(1984年) ハッピープログレス
第19回(1985年) マルタカストーム

第20回(1986年) ドウカンテスコ
第21回(1987年) キングフローリック
第22回(1988年) ダイナアクトレス
第23回(1989年) ウィニングスマイル
第24回(1990年) バンブーメモリー
第25回(1991年) ダイイチルビー
第26回(1992年) ニシノフラワー
第27回(1993年) サクラバクシンオー

国際競走指定後:
第28回(1994年) 日本の旗 サクラバクシンオー
第29回(1995年) 日本の旗 ヒシアケボノ
第30回(1996年) 日本の旗 フラワーパーク
第31回(1997年) 日本の旗 タイキシャトル
第32回(1998年) 日本の旗 マイネルラヴ
第33回(1999年) 日本の旗 ブラックホーク
第34回(2000年) 日本の旗 ダイタクヤマト
第35回(2001年) 日本の旗 トロットスター
第36回(2002年) 日本の旗 ビリーヴ
第37回(2003年) 日本の旗 デュランダル

第38回(2004年) 日本の旗 カルストンライトオ
第39回(2005年) 香港の旗 サイレントウィットネス
第40回(2006年) オーストラリアの旗 テイクオーバーターゲット
第41回(2007年) 日本の旗 アストンマーチャン
第42回(2008年) 日本の旗 スリープレスナイト
第43回(2009年) 日本の旗 ローレルゲレイロ
第44回(2010年) 香港の旗 ウルトラファンタジー
第45回(2011年) 日本の旗 カレンチャン
第46回(2012年) 日本の旗 ロードカナロア
第47回(2013年) 日本の旗 ロードカナロア
第48回(2014年) 日本の旗 スノードラゴン
第49回(2015年) 日本の旗 ストレイトガール
第50回(2016年) 日本の旗 レッドファルクス
第51回(2017年) 日本の旗 レッドファルクス
第52回(2018年) 日本の旗 ファインニードル
第53回(2019年) 日本の旗 タワーオブロンドン
第54回(2020年) 日本の旗 グランアレグリア
第55回(2021年) 日本の旗 ピクシーナイト
第56回(2022年) 日本の旗 ジャンダルム
第57回(2023年) 日本の旗 ママコチャ